日本のデュ・プレ!?マルモ・ササキを聴きました

<p>マルモ・ササキという女流チェリストの演奏を聴きました。</p> <p>聴いたのは、都内の某銀行ロビーでのリサイタルで、曲目はバッハの無伴奏チェロ組曲第三番とオペラからの名旋律などです。</p> <p>バッハは、これまで聴いたことのないほどの歌心にあふれた演奏でした。特に後半のサラバンドは遅めのテンポでゆったりと歌い、有名なブーレでは思い切った装飾音を取り入れるなどユニークな解釈でした。</p> <p>そしてオペラからはロッシーニ「フィガロ(セビリャの理髪師)」のアレンジ、プッチーニ「ジャンニ・スキッキ」から「私のお父さん」など。平井康三郎「さくらさくら」で締めました。いずれも確かな技術に支えられてはいますが、それよりも「歌」を前面に出した大胆かつ見事な演奏です。その「歌」も、か細い楚々とした歌い口ではなく、強靭なカンタービレによる朗々たる歌いっぷりです。</p> <p>この人は、イタリアで育ち、ドイツの歌劇場(ベルリン・シュターツカペレ)などで演奏経験を積んできました。そうした欧州での生活や演奏活動が、演奏にも色濃く反映されていると感じました。日本人のチェリストでも最近は優秀な若手や優れた女流が輩出されていますが、日本で育ち、日本でチェロを勉強してきた人たちの、ある意味で優等生的な演奏とは明らかに一線を画すものがササキの演奏にはあります。</p> <p>先のバッハなど、もしレッスンで日本人のチェロの先生の前で演奏すれば、まず「バッハとしては気まますぎる」とダメ出しを食う可能性が高かったでしょう。せっかくの才能が埋もれていたと思います。</p> <p>リサイタルでの曲目に「カルメン幻想曲」なども加えたオペラのアレンジ集のCDも発売されました。タイトルはずばり「CellOpera」(チェロペラ)。ちなみにレコード芸術5月号の批評では「準特選盤」になっています。これから大いにブレークしそうな予感がします。</p> <p>マルモ・ササキを教えてくれた知人はリサイタルの後、「日本のデュ・プレの誕生だ!」と叫んでいました。不世出の天才女流チェリスト、ジャクリーヌ・デュ・プレを彷彿とさせるほどの、規格外の才能の片鱗を聴かせてくれたのは事実です。協奏曲や奏鳴曲などもぜひ聴いてみたいと思いました。</p>

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vcpapaです。皆様、いかがお過ごしでしょうか?5月29日(火)に浜離宮朝日ホール(約550名の収容)にて、宮田 大のチェロ リサイタルを聴きに行き、大変楽しみました。客席はほぼ満員。演奏曲目は、バッハ:チェロソナタ第1番(オリジナルはヴィオラ・ダ・ガンバのソナタ)、ベートーヴェン:チェロソナタ第3番、フランク:チェロ ソナタ(オリジナルはヴィオリン ソナタ)。vcpapaのお目当てはベートーヴェンのソナタでありました。理由は、1楽章:今年3月の谷口先生門下生のチェロ発表会で演奏した、2楽章:現在レッスンでさらっている、3楽章:来年3月の発表会で演奏予定。他人事ではなく、自分だったらどのように弾くのだという観点で聴いていました。宮田 大の演奏につき、ベートーヴェンのソナタ2楽章、3楽章、フランクのソナタの1楽章、4楽章、アンコールでのハンガリアン ラプソディーに圧倒されました。彼の技術の高さ、リズムの正確さ、彼が持ち合わせている演奏家としての華、全て見事でした。今後の彼の活躍に期待です。又、浜離宮朝日ホールに初めて行きましたが、素晴らしいホールです。リサイタル、室内楽の演奏会にはうってつけという印象を持ちました。