一晩でベートーヴェンのチェロ・ソナタ全曲味わう

<p>仏リヨン国立歌劇場管弦楽団のチェロ奏者、津留崎直紀さんのリサイタルに行ってきました(東京文化会館)。一晩でベートーヴェンのチェロ・ソナタ全5曲が聴ける豪華なプログラムです。</p> <p>30年以上、同歌劇場で演奏しているヴェテランだけに、派手な技巧や美音を売り物にするタイプではありません。各曲の特徴を的確につかんだ、手堅い演奏を展開していました。</p> <p>前期、中期、後期にそれぞれ書かれたベートーヴェンのチェロ・ソナタは各期の作風がよく出ていますが、演奏もその違いが明確に浮き彫りになっていました。初期の2曲のソナタはバロック的な奏法をかなり取り入れ、中期の3番ではあくまで古典として格調高く、後期の2曲は浪漫派の先駆けとしての感情表現や様式を重視していたと思いました。野平一郎さんのピアノも見事でした。</p> <p>「ベートーヴェンのチェロソナタ:もう一つの実験工房」というタイトルを持つ津留崎さん自身によるプログラムの解説も、歴史的考察に富み、読み応え十分でした。</p> <p>津留崎さんのリサイタルはベートーヴェンを皮切りに、今後あと5回を予定しているので、楽しみです。</p> <p>&nbsp;</p> <p>&nbsp;</p>